合板メーカー・日新グループの島根県合板協同組合(島根県)は、今後の合板供給の見通しに対する本紙の取材に対し「現在はグループ各社が個別に注文を受けているが、今後は上部団体が国全体の需給をみすえた生産・出荷の方針と計画を早急に立て、秩序ある取り組みを業界あげて行っていく必要がある」(組合関係者)との見解を示した。
同グループ各工場はこれまで、減産体制をとってきたため、生産能力自体にはまだ容量がある。「おそらくフル稼働しないと需要に追いつかない」との認識で、しかしそのためには原木、人材、労働時間などの安定的な確保が不可欠だ。「急には増産体制に移行できないのが現状」という。
組合関係者によると、現在は各工場が「紳士的に」注文に応えている状況。だが、今後買い占めなどが起きれば、供給責任が果たせなくなるおそれがあると指摘する。「被災地の復旧を含め、全国レベルで合板の需要を把握し、情報を1カ所に集め、方針と計画をしっかり固めて取り組まないとこの難局を乗り切れない」と話した。
島根・鳥取は合板工場が集積するエリアの一つだが、本紙はほかの地域のメーカーにも取材。工場に被害を受けなかったあるメーカーは「もともと供給がタイトだったところに、仮設住宅を含めかなりの注文が入ってきている。急には増産ができず、納期回答ができる状況にはない」としている。
またあるメーカーは「注文は山のように入ってきているが、原木や接着剤の調達に支障が生じ、計画停電の影響もあるため生産は半減。納期の見通しが立たない」という。
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