五十嵐 拓
今回は、住み替えを検討し、住まいの情報を探しているユーザーが真っ先に目にする「外観写真」と、分譲地における、暮らしのイメージを訴求する「周辺環境写真」についてお伝えします。
特に外観写真は、こんな住まいを建ててみたい、暮らしてみたいとユーザーに思わせる「顔」になる写真です。正しい撮影方法を学び、第一印象でユーザーに選ばれる写真を撮影しましょう。
1.外観編
(1)基本ポイント
まずはこちらの写真をご覧ください。
どちらの写真も前回の講座(第1回 問い合わせが増えるカメラの設定)でお伝えした「露出補正」を行っておらず、特にA-1は暗く分かりづらくなってしまっています。さらに、どちらの写真も建物自体は写っていますが、「どんな立地に建っているのか」全く分からない写真です。
次にこちらの写真をご覧ください。
こちらは、さきほどの写真と全く同じ物件を撮影したものですが、大きな違いは撮影場所です。
A-1、B-1は、物件のすぐ目の前から撮影したものですが、こちらのA-2、B-2では、物件が建っている場所の道路を挟んで反対側から撮影しています。
これにより、物件だけでなく、どのような立地に建っているのか、周りにどのような建物が建っているのかを1枚の写真で伝えることができます。
さらに撮影場所を変えたことで、Bの写真は「角地」「駐車場つき」という好条件を写真だけでアピールできるようになりました。これは売り物件だけでなく、建築事例においても、ユーザーが所有している土地に、どのような住まいを建てることができるのかイメージさせる点で重要になります。
(2)周辺を撮影できない場合
中には、物件が旗竿地に建っている等の理由で周辺を一緒に撮影できないケースもあります。そのような場合には、次の写真のように、しゃがんで足元から上部に向けて撮影してみましょう。建物全体が撮影でき、ユーザーの印象に残りやすい写真になります。
2. 周辺環境編
次に周辺環境を撮影する場合です。
外観や内観に比べると優先度は下がりますが、分譲地ではその街での暮らしをイメージさせることが大切です。
また、物件写真と異なり、営業エリアや最寄り駅ごとに同じ写真を利用できる場合が多いため、一度きちんと撮影しストックしておけば、その後の手間はかかりません。
環境写真も手を抜かずに撮影をしましょう。
では、実際に撮影した写真をご紹介します。
ポイントは、被写体を真正面から撮るのではなく、対角線をイメージし斜めに向けて撮影することです。より広域な写真が撮影でき、見栄えが良くなります。
周辺環境の良い写真例
さらに以下のようなテクニックもありますので、基本の撮影ポイントを習得できた方は、ぜひチャレンジしてみてください。
- 物件のターゲットに合わせて、学校・病院・コンビニ・駅等、掲載する写真を選定する
- 季節ごとに写真を撮影し、季節に合わせて写真を掲載する
- 遠目にあえて人を写し、日常が感じられるリアルな写真を掲載する
(※個人が特定できるような写真はNGです)
今回の講座はここまでです。
次回は、内観の中でも重要なリビング・洋室・和室の撮影方法についてお伝えしますので、ぜひご覧ください。
五十嵐 拓 Igarashi Taku 株式会社ネクスト HOME’S事業本部 総掲載物件数No.1(※フジサンケイビジネスアイ調べ(2014年3月31日掲載))の不動産・住宅情報サイト『HOME’S』にて、年間2000人の受講者を誇る「HOME’Sカレッジ」の講師を7年にわたり担当。「HOME’Sカレッジ」では、『HOME’S』の運営でこれまで培ってきたノウハウを生かし、メール対応、インターネット広告の活用等、業界に特化した幅広い知識で、課題解決をサポートする。 「HOME’Sカレッジ」:http://business.homes.jp/college/d01/
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