LIXIL(東京都千代田区)の高断熱高気密工法「スーパーウォール(SW)工法」による家づくりを進める工務店組織・全国SW会は11月13日、横浜パークホテルにおいて「2014年全国SW会年次大会」を開催。2015年は「高性能住宅市場におけるトップランナーグループとしての地位確立」を計画に掲げた。
各地で組織化されたSW会は現在40にのぼり、359社の工務店が活動している。
各SW会を束ねる全国SW会の石川誉興会長(北海道北見市、アーバンハウス代表)は、今年度のゼロエネ補助金の4棟に1棟がSW住宅であり、2013年度の「ハウス・オブ・ザ・イヤー・イン・エナジー」11部門でSW会員が受賞したと報告。
それを踏まえて2015年は、「図・現・暮(ず・げん・ぼ)」の一致(=図面通りに現場をつくりシミュレーション通りの暮らし心地を実現する)、外皮性能の向上、SW会の価値向上をめざすとした。
具体的には、引き渡し後の実測データ採取を強化するとともに、全40のSW会で地域型住宅グリーン化事業の採択に向けた活動を行う。数値目標としてはゼロエネ適合率(補助金レベル)40%、認定低炭素適合率100%、長期優良適合率60%を設定した。
昨年、石川会長は全国SW会として「5つの戦略・8つの行動」に取り組むと宣言。
5つの戦略は(1)商品住宅の開発(2)オリジナル商品の開発(3)リフォーム市場への参入(4)全国一斉「SWの日」の設定(5)女性活躍推進。
8つの行動は(1)「住まいの学校」の普及・開催(2)スーパーウォール・セールスBOOKの作成(3)SW会ロゴマークの作成(4)「暮らし実感ブック」の作成(5)全国規模での紹介活動(6)LIXIL47000人へのメッセージ(7)エリア別・企業規模別勉強会の実施(8)LIXILメンバーズコンテストへの積極的参加。
今回さらに、「工事会計ソフトの利用」「2代目研修の実施」「全国会長会の復活」の3点を追加することを提案した。
「5つの戦略・8つの行動」は、この1年でかなり実践が進んでいる。
今回の年次大会では、戦略の柱である商品住宅「TORETTIO(トレッティオ)」が発表された。
商品と販売手法をパッケージ化した規格型住宅で、「手間をかけずに高性能かつデザインのいい家をお手頃価格で提供する」ことに重点を置いて開発。
ターゲットは30代・子育て世代で、注文住宅は面倒だと考えるいわゆるファスト層。これまでSW会員が得意としてきた2割のこだわり派には従来通り注文住宅を提供し、残る8割に向けて商品住宅を訴求することで消費者の二極化に対応するねらいがある。
外観は北欧ヴィンテージテイスト。女性が一目で「カワイイ」と感じるマリメッコのファブリックカーテン、TVボードやダイニングテーブル、ソファ、照明、植栽までが標準仕様に含まれており、たとえば照明なら1灯はルイスポールセンまたはレ・クリントから選べるといった楽しみも盛り込んだ。サッシ、キッチン、システムバスなど全体の4割をLIXIL商材で構成する。
また、FP手法を組み合わせた提案を行うことで、契約までの時間短縮、新人や女性社員の即戦力化をめざす。
コンセプトからプラン、販売ステップはよく考え抜かれており、それらすべてをSW会員であるフォレスト・オオモリ(三重県四日市市、岩田雅之社長)と吉田建設(香川県高松市、吉田健二社長)が共同開発したという点がユニークだ。
すでに数社がモデル建築を決めており、来年4月に会員向けに本格展開を始める。
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