建設から運用(居住)、廃棄までのライフサイクル全体でCO2収支をマイナスにすることを目指す「LCCM住宅」のデモンストレーション棟(建築研究所=茨城県つくば市内)の完成見学会が4月28日に行われた。同見学会は、当初3月24日に予定されていたが、東日本大震災の影響で時期を延期していた。こうした見学会としては異例とも言えるほど関心が高く、当日は約250人の業界関係者が参加した。
LCCM住宅研究・開発委員会委員長の村上周三建築研究所理事長は、報道機関向けの説明で「建設段階のエネルギーを減らすことと、運用時のエネルギーを減らすことはトレードオフ(二律背反)の関係にあり、LCCM住宅の設計は、その最適解を見つけること」と解説、設計の考え方が大きく変わっていく可能性があることを指摘した。また、現在、国土交通省と連携を図りながら、今年の秋をめどに「LCCM住宅」の認証制度を開始する予定であると話した。今後、認証制度の運用に向けた評価ツールの開発なども進めていく予定だ。
第2回の見学会は6月9日に開かれる。申し込みは5月9日午前9時から受け付けを開始。先着順で定員になり次第、受け付けを終了する。
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