SE構法のエヌ・シー・エヌ(東京都港区)は9月22日、東京・自由学園明日館において「耐震住宅100%決起集会」を開催。「耐震住宅100%」実行委員会(田鎖郁男実行委員長)を結成し、有志のSE構法登録施工店ら204社とともに住宅の100%耐震化に取り組むことを発表した。
当日は施工店のほか、同活動の耐震大使に任命されたプロスキーヤー・冒険家の三浦雄一郎氏、国土交通副大臣兼復興副大臣の西村あきひろ衆議院議員などが駆けつけた。
おもな活動はふたつ。1つは、耐震設計された新築・改修物件を増やすことにより、倒壊の危険性が高い旧耐震木造住宅1000戸を震度6強の地震でも大破しない建物に変えること。
もう1つは、認知・クチコミを増やすための啓蒙活動だ。その一環として10月1〜14日には、全国32都府県において「日本のすべての家を100%耐震に」のメッセージを伝えるテレビCMを集中放映する。CM製作は原研哉氏(日本デザインセンター 原デザイン研究所所長)が手がけた。
また、各施工店はポスターやSNSを利用して活動をアピールし、住み手の共感を引き出していく。まずは、耐震住宅100%フェイスブックへの「いいね!」10万件達成をめざすとする。
国は、2008年に約79%だった耐震化率を2020年までに95%に引き上げることを掲げている。これをリードするかたちで100%をめざし、2020年までは活動したい考え。
また、7月2日〜8月31日まで募集していた「あなたの残したい建物コンテスト」の1次審査結果を報告した。
コンテストは、後世に残したい建物を一般から広く募り、選ばれた建物の耐震改修や建て替えを後押しするもの。施工店とエヌ・シー・エヌが新築1棟または構造計算1件につき一定額を拠出するファンドを創設し、耐震改修や建て替えに充てることを想定している。
出発点は、宮城県松島町の「カフェロワン」。松島湾を一望でき、豊かな時間を過ごせるカフェとして観光客だけでなく地元の人からも愛されきたが、東日本大震災で倒壊。建物は町が管理する観光施設を再利用したもので、惜しまれながら2013年11月に取り壊された。
コンテストは、カフェロワンのように地域にとって大切なコミュニティとなっている建物が地震で失われるのを防ぐねらいがあるという。
1次審査を通過した建物は、清水次郎長の生家(静岡県静岡市)、壺坂酒造(兵庫県姫路市)、大黒湯(東京都足立区)など。10月1日から来年3月まで投票を受け付け、耐震改修または建て替えを支援する建物を最終決定する。
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