芝浦工業大学(東京都江東区)・土木工学科の岡本敏郎教授はこのほど、東日本大震災の影響で発生した液状化現象による住宅の傾きに関する対策案の検証を行った。
関東では、東京湾岸・台場地区から千葉県にかけて液状化が発生。甚大な被害があった千葉県浦安市などでは、液状化による木造住宅の沈下・傾斜を防ぐため「直下壁式」と「周辺締切式」の2つの液状化対策案が検討されている。
そこで岡本教授は、2つの対策案の有効性を検証するため、住宅の模型と振動台で液状化現象を再現し、地中に打つ壁式杭の深さと地盤の密度を変えて住宅の傾斜をそれぞれ計測した。
その結果、建物と杭が一体になっている「直下壁式」は、壁式杭を深く打つことで建物の傾きを軽減させられることを確認。
一方「周辺締切式」は、建物の周りの地盤を囲う形で壁式杭を打つため、囲った内部の地盤で液状化が発生し、深く壁式杭を打っても沈下・傾斜が起きてしまうことがわかった。
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