LIXILは江東区にある拠点「LIXIL WING」敷地内に障害をもつ社員の就労センター「LIXIL WING ”NIJI”」を竣工、開設した。14日より業務を開始するという。
藤森義明社長は、「障害をおもちであれ、あるいは女性であれ、能力を発揮できる環境づくりをするのが建材会社としての役割だ」と今回の施設設置の動機を語った。
新施設は延べ床面積388m2の建物。上下の移動が少ない平屋を採用し、1.5mの軒の出を南側に設置することで日本家屋的なイメージを与えるとともに日差しをコントロールする。次世代省エネ基準をクリアする断熱性能を確保しているという。輻射熱冷暖房(エコファクトリー社)の採用も、省エネと塵や埃といったアレルギー対策に寄与。100%バリアフリーを目指しすべての建具が引き戸で、また蓄光タイルで足元のケアを図るなどの気づかいも。
設計を担当したアーキスタジオ川口一級建築事務所の川口とし子さんは、「フラットなクロス動線と、働く社員の健康に配慮したスペース設計を心がけた」と話し、誰もが働きやすいオフィスを実現するユニバーサルデザインとバリアフリーを徹底することはもちろん、パッシブ設計に注力することで健康や環境負荷を考慮したという。
14日から働くのは29人の同社社員で、それぞれ異なった障害を抱えているという。カタログや名刺の作成といった業務のLIXIL全社分を任されているとのこと。現在LIXIL全体で261人の障害者が勤務しており、社員の2.02%にあたるという。
藤森社長はこの数字について、近いうちに2.5%を超えたいとし、加えて「このような取り組みを、各拠点にも導入し拡げていけたら」と今後の展望を話した。
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