匠総合法律事務所(東京都千代田区、秋野卓生代表)は6月17日、東京・新木場の木材会館で太陽光発電ビジネスに関する法的対応のセミナーを開催した。会場は工務店などを中心に300人を超える受講者でいっぱいになった。
秋野卓生弁護士と森田桂一弁護士が講師として、最近の太陽光発電に関する法的トラブルなどを、具体的な事例を交えて解説した。
太陽光発電の法的なトラブルは、(1)相隣関係のトラブル、(2)再生可能エネルギーの規制、(3)説明義務・広告表示、(4)既存の許認可制度への適合-の4つに大きく分けられるという。住宅分野では、(1)相隣関係のトラブルが多いが、判例が少ないこともあり、法的な対応が難しいなど、業界全体として課題が多い、と指摘。高額な買い取り制度など収益物件として側面も強くなり、相談内容が複雑になっているという。
また、アメリカなどの判例を引用しながら、今後の方向性についても触れた。秋野弁護士は、「現段階では、法令違反の有無や悪質性が主な判断基準となっているが、今後、再生可能エネルギー導入の公益性が高まっていくと、そうした社会的評価が法的な判断にも影響を及ぼす可能性がある」との考えを示した。
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