パナソニック(大阪府門真市)エコソリューションズ社は太陽電池モジュール「HIT」において、これまでのシリコン系太陽電池セルの世界最高変換効率を大幅に上まわる25.6%(セル面積:143.7cm2)を研究レベルで達成したと公表した。
実用サイズのシリコン系の過去最高値は同社の24.7%で、今回はその記録を0.9ポイント更新。実用サイズでは初めて25%の壁を突破したという。
高効率化を実現した要素技術は大きく3つ。
(1)再結合損失の低減
単結晶シリコン基板表面に高品質アモルファスシリコン層を積層することにより、電荷の「再結合損失」を抑制し、高い開放電圧+高温下でも高い変換効率を維持する。
再結合損失とは、太陽電池内部でつくり出したプラスとマイナスの電荷が結合することにより取り出せる電流や電圧が減少し、結果として太陽電池出力が低下する現象のこと。
(2)光学的損失の低減
電極を裏面に配置することにより、太陽光を効率よく基板に導けるようになり、太陽電池から取り出せる最大電流「短絡電流密度」を大幅に向上した。
(3)抵抗損失の低減
電極を裏面に配置することで、電流がグリッド電極中を流れる際の抵抗損失の低減に成功。さらにアモルファスシリコン層における抵抗損失も改善した。
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