日本ぐらし館の木の文化研究会によるシンポジウムが3月17日、東京都内のイベントホールで開催された。3回目となる今回は、「住まい手からみる木造住宅の未来」と題し、木造住宅のもつ可能性をテーマに、パネルディスカッションなどを行った。
同研究会の委員長を務める高田光雄・京都大学大学院教授は、現代の日本に木造の文化があるのか、現在の木造住宅が本当に住まい手にとっていい方向に向かっているかを問いたいと、今回のシンポジウムの狙いを解説。高齢化の進展とともに、外部のサービスをプライベート空間に取り入れる住宅の変化の必要性を指摘し、プライバシーラインの再設定などこれまでの住宅とは異なる配慮が必要になると話した。
基調講演では、檜谷美恵子・京都府立大学教授が「子育て期・高齢期のライフスタイルと住まい」というテーマで講演。子育て世帯、高齢者世帯両方に共通するケアのニーズという課題も、集まって住むことで解決できる可能性があると提案した。「家族本位から接客本位へ」をキーワードに、外部サービスや近隣・地域からのサポートを受け入れやすい住まいが目指すべき方向性のひとつではないかと話した。
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