安成工務店(山口県下関市)とセルロースファイバー断熱材のデコス(同)は2月、地球温暖化防止に貢献する製品流通のしくみ「どんぐりポイント制度」に建築業界で初めて参加した。
どんぐりポイント制度は、カーボンフットプリント(CFP)を活用したカーボン・オフセットの普及・促進をめざして経済産業省が実施する「平成25年度「見える化」制度連携活性化事業費補助金」を受けて、2013年11月1日にスタートしたもの。
CO2排出量をオフセットしてゼロにした商品・サービスにポイントを付けて消費者にわかりやすく表示し、購入・利用を促す。商店会やPTAなどのさまざまなコミュニティがポイントを収集し、それを環境にやさしい商品に交換したり、エコ活動などに寄付する。消費者は、どんぐりポイント付きの商品を購入・利用することで、エコ活動を行うコミュニティを間接的に支援することになる。
安成工務店では、1~2月に上棟する新築物件で使用する断熱材「デコスファイバー」のCFP値をもとに全量カーボン・オフセットを実施。「実質排出ゼロカーボン断熱材」としたうえで建て主にどんぐりポイントを付与。このポイントは、安成工務店のOBコミュニティ「やすら木会」が収集して申請すると、新築時に使用した構造材と同数のスギの苗木に還元され、大分県日田市の木材事業者であるトライ・ウッドの植樹活動に寄附される。
なお、カーボン・オフセットに際しては、トライ・ウッドの森林整備活動を通じて創出されたJ-VERクレジットを使用。クレジット購入代金の一部は九州7県で実施している「九州版エコライフポイント制度」の還元ポイントの原資として活用されている。
同社では、クレジット購入と植林のふたつの方法で林産地に「恩返し」し、「持続可能な森林のサポーター」としての取り組みを強化している。
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