一般財団法人・強靭な理想の住宅を創る会(東京都渋谷区、長尾年恭代表理事)は3月4日、発足後初めての設立記者会見をおこない、今後の活内容や趣旨について説明した。
2003年に発足し木造住宅の耐震化を推進してきた特定非営利活動法人・住まいの構造改革推進協会と、東洋大学海洋研究所地震予知センター長の長尾年恭教授との出会いがきっかけとなり、活動強化のために財団設立に至った。
財団の主な活動は、国が昨年12月に策定した「国土強靭化政策大綱」にもとづき、住宅分野でストックの4割を占めるといわれる1050万戸の旧耐震基準以前の住宅に対する耐震化推進を一層強化するほか、躯体の断熱・省エネ化、家庭内自助・地域共助体制の支援など、ライフラインが止まった際に避難所でなく自宅で生活継続できるためのハード・ソフト面の体制作りを包括的に推進する。
とくに耐震診断については、目視だけに頼らず、施主や中古住宅の買い手に説得力をもたせる独自の診断基準の開発や、診断士の指導育成・認定を行う計画。住宅強靭化に求められる項目を家歴情報にまとめて保存する体制づくりなども検討しているという。
会員の募集対象・条件は現在策定中。大手の住宅・建材・設備メーカーのほか、新たに防災関連メーカーなど住宅の強靭化に関わる事業者も加え、既存の枠組みを超えて連携する体制をつくる。
3月29日(土)には、財団設立記念シンポジウムを開く。当日は古屋圭司・国土強靭化担当大臣や、大臣の私的諮問委員会「ナショナル・レジリエンス懇談会」委員の金谷年展氏が基調講演をおこなうほか、「住まいの強靭化を考える」と題して、財団メンバーを踏まえたパネルディスカッションを行う。
シンポジウムの詳しい内容・申し込みはこちらから。
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