精密工具と時計の製造メーカー協和精工(秋田県雄勝郡羽後町、鈴木耕一社長)は2月25日、自力で角度を調整でき、発電効率を最大限に高めることのできる太陽電池パネル用の架台「スノーターン90」を発表した。
同社が本社を構える秋田県など、降雪の激しいいわゆる「雪国」の地域は着雪によってパネルが覆われてしまい、充分に太陽光発電ができないという課題があった。そのため雪国では太陽電池パネルが普及しておらず、同社のある秋田県に至っては1%程度の普及率(全国平均4.6%、中国経済産業局発表のデータによる)。そうした課題を解決するため同社が開発したのは「スノーターン90」だ。
2012年1年間で測定した、同じ雪国である北海道江別市における実証データによると、同地では傾き33度で設置した一般的な太陽電池パネルより、直立させた90度のものの方が約2倍発電効率が高かったという。これは直立によって着雪がないことと同時に、雪の積もった地面からの反射光も利用できるためだという。
同社の製品を用いれば、重量のあるパネルをハンドルにより手動で簡単に角度調整できる。すでに湯沢市役所に同社によって昨年12月に設置されている。
同社鈴木耕一社長は、「東日本大震災で電力が不足し、災害時の電力確保や節電対策などへの思いを強くした。雪国でも太陽光発電ができる方法はないかと思い、メーカーでできることはないかと考えた製品だ」と話し、「雪国での太陽光発電普及のために、将来はパネルメーカーに弊社の架台を採用してもらえたら」とも語った。
今秋、販売開始予定で特許出願中。架台は1基100万円からを予定。小型の壁掛けタイプのものも販売予定で、そちらは1基20万円の予定。
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