パナソニックは2月24日、過酷な業務現場での利用を想定した頑丈タブレットコンピューター「タフパッド」の新製品で、音声通話機能を備えた5インチのタブレット「FZ-E1」と「FZ-X1」を発表した。「FZ-E1」は日本製品としては初搭載となるウィンドウズ・エンベデッド8・ハンドヘルド(Windows Embedded 8 Handheld)というウィンドウズ8のカスタム版。「FZ-X1」はスマートフォンでおなじみのアンドロイドを搭載。
新製品はタブレットコンピューターをうたうが音声通話機能を備えるため、「頑丈スマートフォン」といえる製品。同社は1996年より、工事現場などで活躍するユーザーのニーズに応える堅牢さを備えた法人向けノート型PC「タフブック」を、2012年にはタブレット型PC「タフパッド」を販売し、一定の支持を得ている。今回発表された両機種はこの流れを汲みながら、モバイル性と持続時間の向上、2台持ちの不便さの解消など、新たな市場ニーズに対応する。ただしシリーズとしては「タフパッド」の機種として組み込まれている。小型化したことでより幅広いニーズに対応する製品であるとしつつも、両製品の「堅牢さ」を必要とする層にフォーカスしてアピールしていきたい意図があるためだという。
バッテリー容量は6200mAhと、一般的なスマートフォンの2倍から3倍の容量で、待受時間は約1000時間。大容量だが急速充電機能を備え、1時間で50%充電可能。バックライト輝度も500cd/m2と通常の倍近いものを搭載し、日照環境での視認性を高めている。さらに最大100デシベルの大音量ツインスピーカーを前面に搭載し、現場の騒音下でもスピーカーホンで通話ができるようにした。また、手袋をしていたり、水滴が表面に付いている状態でも誤作動なく操作できる補助機能も。
耐落下・衝撃性能は、3mの落下試験をクリア。スマートフォンに液晶モニターの破損による故障が多いことから液晶モニターのガラス面を強化。製品とほぼ同じ重さである400グラムの鋼鉄の球を、80cmの高さから液晶めがけて落下させても問題ないほどの強度だという。防塵・防水性能にも優れ、75μmの非常に小さな粉塵を防ぎ、1.5mの水圧に30分間耐えられる。さらにマイナス20℃から60℃の環境で動作可能と、あらゆる状況を想定した仕様だ。
「過酷な環境にハードウェアを合わせるのはパナソニックの得意とするところ」とした同社AVCネットワークス社社長の宮部義幸氏。同製品は単なる1製品という位置づけではなく、「BtoB分野における事業戦略で中核的な位置を占めるモビリティソリューション事業において重要な製品」であるという。「大きなデータを屋外のどんな状況でも利用できるといった、あらゆる空間で『良い暮らし』を広げるのは、パナソニックの目指しているところ」とも述べ、「パナソニックが皆さんにわくわくしていただける新しい世界を作っていく大きな第一歩だ」と将来の期待を語った。
5インチ液晶(解像度1280x720)、高さ165mm、幅87mm、厚さ31mm、約430グラム。予定販売価格は13万円程度(オープン価格)。発売時期は、ウィンドウズ8のFZ-E1が6月中旬、アンドロイドのFZ-X1が8月下旬を予定。
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