国土交通省は1月29日、第4回「既存住宅のリフォームによる性能向上・長期優良化に係る検討会」(座長:深尾精一首都大学東京名誉教授)を開催し、既存住宅の長期優良住宅化のためのリフォーム基準案を提示した。この基準案をもとに、2013年度補正予算案と14年度予算案に盛り込まれている「長期優良住宅化リフォーム推進事業」で、水準や考え方を検証し、2015年度以降の告示化を目指す。
現段階の基準案は、住宅性能を「長期性」と「優良性」の2つの区分で評価する枠組みとした。「長期性」の区分は、劣化対策、維持管理・更新の容易性など、リフォームに向かない性能とし、「優良性」の区分は、耐震性、省エネ、バリアフリーなどリフォームによって一定の性能向上を図りやすい性能として整理した。
基準の水準は、長期性については新築基準相当とするが、ソフト対策を含む代替措置や将来的な適合可能性による評価も認められるようにする。
優良性については、現在の標準的な新築住宅のレベルを勘案した既存住宅向けの基準を設定。例えば、優良性に区分される性能のレベルのうち、省エネ性は省エネルギー対策等級4など新築基準と同水準とするが、耐震性は現行の耐震基準への適合でもよく、新築基準よりも緩くする。
また、認定基準(ランクS)のほか、これに準じる「ランクA」の基準も設ける。ランクSに比べ、全体的に1段階低いレベルに設定し、リフォームを促進していく考え。
基準の策定にあわせて、リフォームの内容を生活者にわかりやすく示すため、既存住宅の住宅性能表示制度も見直す。
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