国土交通省は、中古住宅の売買時に行う基本的なインスペクション(建物検査)のガイドライン案を公表した。現在、一般から意見を募集している。今回、案が示されたインスペクションは、中古住宅の現況を把握するための基礎的な現況検査という位置づけ。構造の安全性や生活上支障のある劣化の有無を把握し、円滑な取引や維持管理の目安として利用していくことを想定している。意見の募集期間は5月30日まで。
案では、この現況検査を、ひび割れや欠損などの劣化事象を目視を中心とした非破壊調査で把握し、依頼主に報告することと規定。耐震性や省エネ性の判定や、建築基準への違反の有無や設計図書との照合は必ずしも含まないとした。
検査の対象範囲については一般的な手段で目視できる範囲とし、鉄筋探査なども追加的な費用が発生する可能性があることからオプション扱いとした。検査は、対象部位ごとに、(1)蟻害や腐朽など構造耐力上の安全性に問題がある可能性が高い事象、(2)雨漏りや水濡れ、(3)給配水管の漏れや詰まりなどの有無を調べる。
検査を行う人の要件については、明確には規定せず、資格の保有状況や実務経験の有無など、情報提供の重要性を示すにとどめた。
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