学識経験者と建材業界のメーカー・ユーザー等で構成される「建材からのVOC放散速度基準化委員会(委員長:村上周三慶応大学教授)」は2日、平成15年に建築基準法で規制されたホルムアルデヒドについで、新たにトルエン・キシレン・エチルベンゼン・スチレンの4物質に対する自主基準値を公表した。
自主基準値は厚労省が示した化学物質室内濃度指針値をもとに、建材に適用できる放散速度基準値(μg/㎡h)に換算したもので、トルエン38、キシレン120、エチルベンゼン550、スチレン32。建築用ボード類、壁紙、床材、接着剤、塗料、断熱材などに影響があると見られる。
自主基準値は法的拘束力はないものの、メーカー・施工者・消費者が共有できる「ものさし」としての役割が期待されており、消費者からメーカーに対して基準値適合への自主表示の要請が高まるとみられる。委員会によると、現段階で日本接着剤工業会のほかいくつかの業界団体やメーカーが来年4月をめどに仕様書、認定制度、自主基準等への引用を予定しているという。
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