LIXIL(東京都千代田区)、 早稲田大学理工学術院(東京都新宿区)、アーステクニカ(東京都千代田区)、ポニー工業(大阪府大阪市)、阪和興業(大阪府大阪市)は3月、建て替えやリフォームなどの住宅解体工事で発生する「市中解体アルミサッシ」を再びサッシとして利用する「サッシtoサッシ」技術を共同開発した。
新技術の開発は、独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「省エネルギー革新技術開発事業」の一環として2009年度にスタート。4年間の研究を経て、このほど高度選別技術を確立したという。
通常、アルミサッシにはJIS規格の6000系合金が利用されるが、アルミサッシの原料として再利用されることはなく、溶解して自動車などで使われるダイカスト用原料としてリサイクルされる。これは、手作業や比重を利用する従来方法で市中解体アルミサッシを選別すると、樹脂やゴム、木くず、ビスや施錠金物などの不純物を完全に選別することが困難だったため。
今回開発した「サッシtoサッシ」技術は、不純物を取り除いて再びアルミサッシの原料としてリサイクルすることができる。また、これまで溶解のために使っていたエネルギー消費(1年間の業界全体量を原油換算すると48万2000キロリットル※早稲田大学が試算)を大幅に削減できるとする。
LIXILは14年度中の実用化をめざし、廃材の発生量や地域性、流通の社会性を考慮してプラントの規模や立地、流通の検討に入るという。
LIXIL野田事業所(千葉県野田市)に設置したアルミ高度選別機で、選別評価、ランニングコストを算出した
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