LIXIL(東京都品川区)は4月14日、ロールスクリーン状の屋内設置型太陽光発電「PV(太陽光発電)ロールスクリーンシステム」の受注を6月から開始すると発表した。LIXILリニューアル(東京都墨田区)を通じ、公共施設や法人向けに関東エリアで展開し、順次エリアを拡大する予定。
同システムは、直接給電できる機能を備えたロールスクリーン状の太陽光発電設備で、室内側から窓に容易に後付けが可能。遮光性やプライバシー保護に加え、高い施工性やメンテナンス性、デザイン性にも配慮している。独自構造による断熱性能向上やコールドドラフトの抑制効果で、快適性と窓まわりの価値向上を実現した。
ファブリック仕様とスケルトン仕様の2種類を用意。1枚あたり最大スマホ9台、またはPC3台分を1日で発電でき、「省エネ」「創エネ」による脱炭素化とレジリエンスの強化に貢献する。

屋内設置型太陽光発電設備「PV(太陽光発電)ロールスクリーンシステム」
同システムは、ビルの外壁や窓面に設置される「建材一体型太陽光発電設設備(BIPV)」のように、窓面の発電部に視界を遮られることがなく、開閉することで必要な時に視界を確保することが可能。全閉時は、既存窓との間に中空層が設けられ(簡易ダブルスキン化)、断熱性能向上による省エネ効果が見込めるという。新築・既築ビルの室内側から電気工事不要で後付け設置とメンテナンスが可能なため、BIPVの設置が難しい既築ビルの低炭素化を促進する。

概要図
同社は、2022年・23年にNEDO助成事業(課題設定型産業技術開発費助成事業)の支援を受け、窓の室内側に設置できる同システムを開発。2024年3月には福岡県宗像市との提携による実証実験を行ったほか、自社施設での検証を行ってきた。今回の受注開始によって、脱炭素社会の実現に貢献するソリューションとして採用拡大を目指す。
■関連記事
LIXIL、福岡県宗像市とPVロールスクリーンの実証開始
LIXIL、プラスチック製品の再資源化に向け自治体と協定
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。