タカラスタンダード(大阪市)は4月9日、ホーロー研究開発施設「R&Dセンター(仮称)」を、2026年6月に大阪府八尾市に開設すると発表した。敷地面積約4085㎡、延床面積約7953㎡。投資額は約35億円。
同社初の研究開発に特化した施設で、12月に解散する連結子会社「タカラ物流サービス」の建屋を改築する。多様化するユーザーニーズを背景に、ホーローや樹脂などに関するコア技術の深耕や新技術、独自商品を創出するための研究開発拠点として運営する。

「R&Dセンター」外観イメージ
4階建ての同施設には、「共創(社内外の研究開発技術者交流・議論ができる場)」「深堀(製品や素材に関する基礎研究・分析ができる場)」「創出(新しい技術やデザイン、機能が検討・考案できる場)」をコンセプトに、知多工場(愛知県半田市)や本社(大阪市城東区)の研究開発設備を集約。別拠点だった開発部と研究部が連携して研究、試験を行うことで、成長や新たな技術開発に結び付けたい考え。
各階には、ホーロー焼成炉や樹脂配合と成形に関する最新試験機などを配置。工場レベルのトライアル&エラーができる「ミニファクトリー」や、実条件での製品使用が可能な「リビングラボ」などを備えた共創ラボとして、研究を推進する。
同社は「環境問題への取り組み」「人的資本の投資」に注力しており、今回の施設開設では既存建物を再利用することで、CO2排出量を大幅に削減。完成後も、エネルギー効率の高い設備導入による省エネ徹底などでCO2排出量削減を図る。また、同社が取り組んでいる産学共同研究をより推進し、外部企業・外部機関と積極的に交流を図ることで、社内の研究開発担当者の育成につなげるとしている。

「R&Dセンター」内観イメージ
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