中小企業庁は3月28日、2025年の「中小企業実態基本調査(2024年度決算実績)」の速報を公表した。1企業当たりの売上高は2.1億円(前年度比0.3%減)、経常利益は991万円(同1.3%増)。従業者数は9.7人(前年度比2.7%減)となった。
産業別で見ると、売上高が減少しているのは不動産業、物品賃貸業(前年度比20.1%減)、建設業(同4.8%減)など3産業。経常利益は、運輸業、郵便業(同81.3%増)、宿泊業、飲食サービス業(同49.7%増)など8産業で増加となった。
従業者数は、宿泊業、飲食サービス業が前年度比8.4%減、飲食サービス業が同5.5%減など9産業で減少した。
設備投資を行った法人企業の割合は22.0%(同0.0ポイント増)となっている。新規リース契約を行った法人企業の割合は13.0%(同0.5ポイント増)だった。
「事業承継考えていない」が4割
中小企業の事業承継に関する状況を見ると、個人事業主を含む中小企業の社長の就任経緯は、創業者(49.7%)、親族内での承継(39.3%)の割合が高い。産業別では学術研究、専門・技術サービス業(73.2%)、宿泊業、飲食サービス業(69.6%)などで創業者の割合が高く、親族内での継承は、製造業(58.1%)、不動産業、物品賃貸業(52.6%)が高くなった。
事業承継の意向については、「今はまだ事業承継について考えていない」が41.6%と最も高く、次いで「親族内承継を考えている(24.3%)」「現在の事業を継続するつもりはない(22.0%)」の順となっている。
同調査は中小企業の財務情報、経営情報などの把握を目的として、毎年実施。「建設業」「製造業」「情報通信業」「運輸業、郵便業」「卸売業」「小売業」「不動産業、物品賃貸業」「学術研究、専門・技術サービス業」「宿泊業、飲食サービス業」「生活関連サービス業、娯楽業」「サービス業(他に分類されないもの)」の合計11産業の中小企業から調査対象約11万社を無作為に抽出して実施している。主な調査項目は従業者数や売上高、設備投資、事業承継など。今回は有効回答4万5135社(有効回答率41.1%)を基に推計した。
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