三協立山(富山県高岡市)が4月3日発表した2025年5月期第3四半期決算は、売上高が前年同期比1.1%増の2672億9900万円、営業利益は同23.1%減の20億4500万円、経常利益は同47.1%減の14億9300万円となった。売上増はマテリアル事業の好調や海外事業での為替差益などによるもの。その一方で価格改定などの収益改善策が奏功せず、最終損益は4億1300万円の赤字となった。

第3四半期連結決算概要(決算説明資料より抜粋)
建材事業の売上高は1351億8800万円(前年同期比1.8%減)、セグメント利益は7億3500万円(同35.4%減)。リフォーム需要はあったものの資材価格の高騰、物流費増加などの影響を受け減益となった。マテリアル事業は、一般機械分野の需要回復やアルミ地金市況に連動して売上が増加。売上高は439億9900万円(同10.5%増)、セグメント利益は21億2500万円(同41.7%増)となり、収益とも大きく伸ばした。
商業施設事業はインバウンド需要の増加を背景に、新規出店や店舗改装など積極的な投資が行われ、売上高320億4400万円(同2.6%増)となった。セグメント利益は価格改定が遅れた影響で10億6200万円(同4.7%減)にとどまった。アルミニウムの加工などを手掛ける海外事業では卸売向けの販売量が増加したが、ドイツでEV販売の低迷を受け17億円の赤字で着地した。
通期は黒字転換を予想
通期予想は従来予想を据え置き、売上高は3570億円(前期比1.1%増)、営業利益は30億円(同21.2%減)、経常利益は20億円(同48.5%減)、最終損益は2億円(前期は10億1900万円の赤字)と黒字への転換を予想。欧州で生産体制を見直し、土地建物の売却や人事削減など構造改革を進める。
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