ミサワホーム(東京都新宿区)は3月27日、同社独自の木質パネルを活用した中層建築構法「CROSS MONOCOQUE」(クロスモノコック)を新たに開発し、販売を開始したと発表した。同社の木質パネル接着工法の技術を中層建築へ展開したもので、高品質で高性能な中大規模木質パネル建築を実現した。販売エリアは東京都内で、今後順次拡大する。商品サイトはこちら。
木質パネルによる1時間耐火構造の4階建てを基本構成とし、最下階に2時間耐火の鉄筋コンクリート造を組み合わせることで、5階建ての混構造耐火建築物とすることも可能。住居と店舗・事務所などの非住宅スペースと組み合わせるなど複合建築物として、さまざまな用途での活用を想定している。
同社戸建て住宅商品と同等の品質・性能を備えており、太陽光パネルの搭載により、住戸部分はZEHだけでなく、GX志向型住宅にも対応する。

「CROSS MONOCOQUE」外観イメージ
木質パネル接着工法でパネル同士を強固に接合し、建物が一体となるモノコック構造によって高い強度を発揮。加えて、大きな引抜力を専用の柱脚接合部に負担させることで、中層建築でも高い耐力を実現した。構成部材は工場生産のため、建築現場施工の工数削減と施工品質の向上にも寄与する。
1階がRC造・2~5階が木質パネル接着工法のモデルプラン(建築面積129.2㎡、延べ床面積472.9㎡)の場合、建設時のCO2排出量削減効果は、同規模のRC造建物に比べ40%以上削減。木材使用量は87.4㎥、CO2換算の炭素貯蔵量は73.6 t-CO2。省部材設計で木材使用量を抑制し、環境負荷を低減する。

左から:木質パネル接着工法施工イメージ、高耐力柱脚接合部、「CROSS MONOCOQUE」イメージ
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