LIXIL(東京都品川区)は3月27日、地場工務店が手掛けた断熱リノベの実例集「断熱リノベの匠」の第7弾となる事例を公開した。
SW(スーパーウォール)工法リフォーム加盟店の舘建築(三重県菰野町)が手掛けた1982年築の木造2階建て住宅を断熱リフォームした事例で、思い出を大切にしつつ、世代を超えて孫に住み継がれる住宅に再生した。
依頼主の亡くなった両親の家に、孫にあたる娘夫婦が住むためのリノベーションを実施。延べ床面積60坪を超える土壁の日本家屋に快適に住むため、当初計画していた部分的なリフォームに加え、補助金を活用した家全体の断熱改修も提案した。

築40年を超える土壁に外断熱を施し、断熱リフォーム工法で気密性もアップ(LIXIL提供)

天井の吹き込み断熱に加えて屋根部など、隅々まで断熱パネルで性能強化(LIXIL提供)
新居予定だった2階だけでなく、1階も広々としたLDKとして生活スペースにする計画に変更。仏壇のある二間続きの和室は、法事などに使うためそのまま残した。土壁には外断熱を施し、断熱リフォーム工法で気密性を向上したほか、天井の吹き込み断熱や断熱パネルによって性能を強化した。改修後のUA値は0.49W/m²Kを実現。まもなく入居2年になるが、冬は暖かく、夏は涼しく快適に過ごしているという。
なお、今回の家を建てたのは、同社社長・舘巧さんの祖父であり、解体した際には先代の仕事ぶりが伝わってきたという。

Before(左)、After(右)
外観イメージはそのままだが、中身は新築の高性能住宅並み
舘建築は、新築でHEAT20・G2グレードを標準仕様に、高性能スーパーウォール住宅、ZEH住宅、健康ストレスのない健康住宅を提案しているが、家一棟の断熱改修は今回が初めて。「まるごと断熱リフォーム」で、G2グレードに近いUA値を実現した。舘さんは、空き家問題が深刻化するなか、今後も古い住宅を再生する切り札としての可能性を探っていく。
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