今や寒くない窓辺は当たり前。差をつけるのは窓辺の居心地。「チルい=くつろげる」窓辺を実現するあの手この手を探ります。
※本記事は、新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー4月号「チルい窓」掲載の事例から、HOUSE&HOUSE(北海道札幌市)「厳しい環境を技術で克服 大開口で周辺環境を取り込む」の内容を抜粋したものです。
設計:HOUSE&HOUSE、施工:木村建設、撮影:佐々木育弥、日比野寛太
取材・文:大菅力

「十勝の家Ⅲ」のダイニングからリビングを見る。木製サッシによる大開口の手前にベンチを造作。その下部に温水パネルヒーターの放熱器を配置
窓手法① 窓辺の放熱器の存在を消す
●北海道の場合、大きな窓は温水パネルヒーターと組み合わせることが多い。窓下に放熱器を置いて冷輻射とともにコールドドラフトを防ぐ。意匠的には放熱器の納め方がポイントとなる
●窓辺をすっきり納める手法が「十勝の家Ⅰ」で試みた床下に放熱器を設置するやり方。ガラリを通じて室内に暖気を招き入れる。放熱器が室内に出てこないので空間がまとまりやすい
➡︎ 床面からガラスが立ち上がる大開口が可能になる。反面、床下を暖めるので暖房負荷は増す
● もう1つが窓辺にベンチを設けて、その下部に放熱器を設置する手法。窓辺の温熱環境を補いつつ、放熱器が目立たないように納めるやり方だ。「十勝の家Ⅲ」で試みた
●放熱器とベンチの座面との距離が小さいと熱が広がっていかない。ピーエスの機器は見付け寸法が210㎜と小さいため、座面との離隔距離を確保することができた
➡︎開口部が横に長いことも都合がよかった。放熱器の長さを伸ばして放熱量を確保できた
窓手法② 窓辺のベンチに上質感を持たせる
●窓辺のベンチには北海道産ナラ無垢のはぎ材を採用。ガージーカームワークスという家具会社が製造した。個々のナラ材は・・・
この記事は『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー4月号(2025年3月30日発行)チルい窓』(P.8〜)をデジタル版に再編集したものです。続きは本紙でご覧いただけます。
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