帝国データバンク(東京都新宿区)が3月26日に公表した「全国社長年齢分析調査(2024年)」によると、2024年時点の社長の平均年齢は前年比0.2歳上昇の60.7歳と、34年連続で過去最高を更新した。社長交代率は3.75%と4年連続で低下し、高齢化に歯止めがかかっていない現状が明らかとなった。
社長交代時の年齢は平均68.6歳で、前年(68.7歳)からほぼ横ばい。新社長の平均年齢は52.7歳で、社長交代によって15.9歳若返っている。
業種別では「不動産」が62.8歳でトップ、「建設」は60.3歳だった。対95年比は、不動産(プラス6.3歳)、建設(プラス6.1歳)ともに6歳以上平均年齢が上昇しており、他業種と比較しても高齢化が進行している。
年代別構成比は、「50代」30.0%、「60代」26.8%、「70代」19.4%、「80代以上」5.5%で、「50歳以上」は全体の81.7%を占めた。いわゆる「団塊ジュニア」世代の多くが50歳以上となり、3年連続で8割を上回っている。また、「60歳以上」(51.7%)でみても半数超えとなった。一方、「30代以下(30歳未満0.2%、30代2.9%)」は約3%にとどまっている。
交代した社長の就任経緯は「同族継承」38.6%、「内部昇格」37.6%、「出向」11.7%だった。交代前後の平均年齢は、「同族継承」が71.6歳から48.1歳に、「内部昇格」が65.2歳から55.8歳に、「出向」が62.8歳から57.5歳に若返っている。年齢差は「同族継承」が23.5歳で最も大きくなった。
団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる「2025年問題」が到来しているが、社長交代率の低迷を背景に「社長の高齢リスク」が高まっている。事業承継が進まないまま、「経営者の病気・死亡」で倒産するケースが、2024年は316件と過去最多となった。同社は、円滑な事業承継に向けて、早期に準備を進める必要性が高まっているとした。
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