さくら事務所(東京都渋谷区)は、昨年1年間に実施した265件の新築注文住宅の工事中ホームインスペクション(第三者検査)の検査結果を集計し、このほど公表した。それによると、全ての検査項目で不具合指摘率が50%を超えていることがわかった。
特に構造、防水、断熱の項目では60%を超える高い指摘率を確認。この3項目は建物の寿命や住環境に特に大きな影響を与えるため、改めて施工会社の選び方が重要だとしている。
同社は高い不具合指摘率の原因として、業界の人手不足やDXが進んでいない現状、工期の短縮化、複雑化する建築技術などを挙げている。またYouTubeやSNS等による消費者・施主のリテラシー向上とそれに対する業界側の対応の遅れも指摘している。
施工不良の多くは修正可能だが、施工会社によって対応に差があるため、問題を未然に防ぐためには工事中の第三者チェックが不可欠。また、不具合が発覚しても「基準内だから問題ない」として、施工会社が対応しないケースもあり、住宅購入者が泣き寝入りしないための対策が求められるとしている。

断熱材が足りていない事例(同社提供)
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