YKK AP(東京都千代田区)はこのほど、20代~60代の男女1101人(窓リフォーム経験者550人、未経験者551人)に実施した「住まいに関するアンケート」の結果を発表した。窓リフォーム未経験者に、現在の住まいの不満を聞いたところ、1位が冬の「寒さ(43.7%)」、2位が「光熱費が高い(36.8%)」、3位が夏の「暑さ(31.4%)」となった。「朝晩や部屋ごとの温度差(28.7%)」や「部屋の結露(27.9%)」も上位となり、1年を通して温熱環境に起因する不満を感じていることがわかる。
窓リフォーム未経験者が、新生活や引っ越しを考えた際に重視する住まいの変化として、「収納スペースの広さや使いやすさ」(53.2%)、「日当たり」(50.8%)に続き、半数近くが「断熱・省エネ性能(冷暖房の効率・窓の断熱性など)」(49.0%)をあげている。光熱費高騰や環境意識の高まりなどから、断熱性能が高く省エネな住まいへのニーズが増しているとみられる。
現状の対策への満足度
窓リフォーム未経験者に、暑さ・寒さ対策として自宅で実施していることを聞いたところ、暑さ・寒さ対策ともに「エアコンをつける(寒さ対策:52.1%、暑さ対策:76.6%)」が1位だった。そのほか、暑さ対策では「扇風機、冷風機、サーキュレーターをつける(64.1%)」、寒さ対策では「厚着をする(50.5%)」「厚手の靴下やスリッパを履く(42.3%)」「個別の暖房器具を使う(41.6%)」が上位となっている。
なお、実施している対策に「十分満足している」人はわずか7.1%で、「多少、満足している」(42.1%)と合わせて、満足度は49.2%だった。「あまり満足していない」(37.4%)、「全く満足していない」(4.6%)は合わせて42.0%で、満足・不満足が拮抗している。
「満足していない」理由として、53.0%が「効果を感じられない」と回答しており、仕方なく対策を実施していることがうかがえる。エアコンを暑さ・寒さ対策に使用することで、光熱費の上昇に悩む悪循環に陥っている人が多いことも推察できる。
窓リフォームに効果を実感
窓リフォーム経験者に、内窓リフォームの検討理由を聞いたところ、「冬場の寒さを解消したかった」(50.5%)が最も多く、「光熱費を削減したかった」(38.0%)、「夏場の暑さを解消したかった」(37.8%)が続いた。暑さ・寒さを解消し、住環境の快適性向上を求めて窓リフォームを行っていることがわかる。
さらに、リフォーム前に効果を期待していた9項目のうち、8項目で90%以上が効果を「実感できた」と回答。最下位の「光熱費の削減」においても、84%が期待した効果を実現できたと回答している。窓リフォームに「とても満足している・満足している」人は81.2%にのぼり、窓リフォームが断熱性能に加え、「防音」「結露抑制」「防犯」なども含めた住環境の改善に大きく寄与することを示した。
事前のスクリーニング調査(対象1万129人)によると、窓リフォームを「知っている」人は44.6%と半数近いが、実施率はわずか8.8%にとどまっている。「知っている」と回答した4525人に、窓リフォームの印象を聞いたところ、「金額が高そう(53.3%)」が最も多く、「時間がかかりそう(17.8%)」、「効果が実感できるか分からない(17.1%)」が続いた。「家を壊さないといけず、大掛かりな工事が必要だと思う」も13.4%となるなど、コストや工事の手間を理由に、リフォームを実施していない人が多いことがうかがえた。
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