福富建設の社員大工は、集客から家守りまであらゆる場面で活躍している。大工がいて、育たなければ木工事以外も成り立たない。どのように大工の雇用を安定させているのか、前編(2月20日号掲載)に引き続き社長の後藤正弘さんと広報・後藤蓉子さんに聞いた。
大工との一対一の対話で
各自の性格やレベルを把握
長年にわたり社員大工を雇用し、育成し続けてきた同社だが、数年で離職してしまうというケースも少なくなかった。かつてはモチベーション向上のため、技能五輪への出場を目標にしたこともあったが「技能五輪で入賞するレベルの子でさえ離職してしまうこともあった」(後藤社長)。早期の離職は指導する側の意欲も低下させかねない。一時は採用活動をちゅうちょしたこともあった。しかし、むしろ大工の方からの「採用・育成は必要」との希望で若い人材の採用・育成を続けてきた。
後藤社長は普段から大工とのコミュニケーションを大事にしている。一対一だからこそ話せること、“新しい子が入ってきたらどうするか”、“そろそろ〇〇には棟梁をやらせようと思うがどうか”と大工に意見を求めることもあれば、“〇〇にはどういう機会を与えれば伸びるか”など、若手の成長の度合いを確認する。「先輩大工たちは(若手の)いい面をよく理解し、指導している」と後藤社長。
棟梁を任せられるような技術を習得しても、顧客に迷惑をかけないことが大前提であり、若手をよく見ているベテラン勢のフォローが必要だ。現場の2人体制には、実は・・・
この記事は新建ハウジング3月20日号7面(2025年3月20日発行)に掲載しています。
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