マイホム(東京都港区)はこのほど、全国の15歳~59歳の男女450人を対象に実施した「次世代の住宅設備ニーズ調査」の結果を発表した。同調査では、年齢29歳以下を「Z世代」、30歳以上を「非Z世代」と定義し、住宅設備や家具・家電に対するニーズの違いを分析した。
住宅の各間取りの必要性について聞いたところ、玄関を「無くても問題ない/無駄だと思う」と回答したZ世代が、32.7%にのぼることがわかった。これは非Z世代(12.7%)の約2.6倍で、Z世代では伝統的な玄関が必須ではなくなってきているとみられる。
また、玄関を設けず、土間から直接入るスタイル(土間玄関)を「魅力的」と感じているのは全世代の28%、「抵抗はない」は45%となり、7割以上の人が「玄関不要スタイル」への心理的ハードルが低くなっている。Z世代では35.3%が土間玄関を「魅力的」と回答しており、非Z世代の約1.4倍となった。
Z世代に人気だったのは、「屋上」(絶対に必要・あったほうが良い 36.7%)、「シアタールーム」(同34.7%)で、友人と楽しむための設備や「映え」るコミュニケーションスペースが高い支持を得た。非Z世代は「玄関」「キッチン」「物置部屋」「ウォークインクローゼット」など、実用的な間取りを重視する傾向があるが、Z世代は「映え」に対して投資する傾向が強いことがうかがえる。
「土間」は、こうしたZ世代の「映え」とミニマル志向にフィットしたとみられ、「屋外で使用したアイテムを収納できる」(42.0%)、「洗濯物や濡れた傘を広げて干せる」(40.0%)など、屋外活動に対する利便性を評価する声が多い。「DIYや自転車のメンテナンスなどの作業ができる」(30.7%)、「素材を選んで自分好みの空間づくりができる」(24.0%)点も魅力としてあげられている。
今回の調査では、全体の1/4以上が「玄関をなくして土間から入るスタイル」を魅力的と回答した。同社は、都市部を中心に住宅の床面積が限られるなか、“滞在時間の短い”玄関よりも居住空間を優先する設計や、内と外の境界を曖昧にし、床や壁材を統一することで空間をより広く、モダンに見せる映えのトレンドが影響したとみている。
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