アイカ工業(愛知県名古屋市)は3月4日、けい酸カルシウム板にCO2を固定化する技術を確立したと発表した。
けい酸カルシウム板は、珪砂などのけい酸質原料と石灰などのカルシウム質原料を主原料とする不燃性の建築素材。寸法安定性とコストパフォーマンスに優れ、壁面材として幅広く使用されている。
今回の技術では、けい酸カルシウム水和物がCO2と反応して炭酸化する仕組みを活用。けい酸カルシウム板の廃材粉を水の存在下でCO2と接触させることで、半永久的にCO2を炭酸カルシウムとして製品中に固定化できるという。
同技術の開発および原理の究明、固定化されたCO2の定量化、CO2の削減技術の開発については、東京大学大学院工学系研究科の野口貴文教授・丸山一平教授と取り組んだ。3×6サイズ(910×1820mm)・厚さ6mmのけい酸カルシウム板1枚あたりに約200~300gのCO2が固定できる見込みで、同社製造の全けい酸カルシウム板に同技術を展開した場合、年間のCO2固定量は770t程度になる計算。
開発中の製品は、3月4日から開催の国内最大級の店舗総合見本市「JAPAN SHOP 2025」にて参考展示する。同社は実用化に向け、引き続き技術開発を行っていくとしている。

CO2を固定化したけい酸カルシウム板

直線的な製造プロセス(従来の製造方法)

循環型の製造プロセス(目指すべき製造方法)
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