2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の会場シンボルとなる「大屋根リング」が3月4日、世界最大の木造建築物としてギネス世界記録に認定された。屋根リングの全周は約2025m、建築面積は6万1035.55㎡。幅約30m、高さ約12mのスカイウォークとしてリング屋上を歩くことができる。

ギネス公式認定員(左)から認定証を授与
中央:石毛博行・万博協会事務総長、右:藤本壮介プロデューサー
博覧会協会では、「大屋根リング」を日本の建築技術と自然の豊かさ、特有の文化が融合する大阪・関西万博の象徴と考え、プロモーションを実施。今回、ギネス世界記録の称号を得たことにより国内外からの注目を集め、万博の機運醸成につなげられるとして期待している。ギネス世界記録を記念したプレートは万博会期中、会場内に設置する予定となっている。
「大屋根リング」は、万博デザインプロデューサーで建築家の藤本壮介さんが考案、東畑・梓設計JVが設計を担当。2023年6月30日に組立てを開始し、24年8月に全周がつながった。リングは「多様でありながら、ひとつ」という理念を表している。屋上からは会場全体をはじめ、瀬戸内海の自然豊かな光景、大阪の街並みなどを見渡すことが可能となっている。
施工は3工区に分かれて実施。大林組・大鉄工業・ツチヤJV(北東工区)、清水・東急・村本・青木あすなろJV(南東工区)、竹中工務店・南海辰村建設・竹中土木JV(西工区)が各工区を担当した。使用木材は、国産スギ・ヒノキと外国産のオウシュウアカマツ。日本の神社仏閣などの建築に使用されてきた伝統的な貫(ぬき)接合に、現代の工法を加えて建築されている。

「大屋根リング」の全景(写真提供:日本国際博覧会協会・大林組)
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