山田剛氏はオーガニックスタジオ新潟の専務取締役で現在37歳。大学の建築学科卒業後、リフォーム会社で5年働き、10年前にアフター担当として同社に入社。
決め手は同社社長・相模稔氏の「この会社をものづくり天国にしたい」という言葉。やがて山田氏は現場監督となり、さらに設計兼現場監督となり、設計と施工管理で年間4棟、設計だけでさらに4棟を手がける実力を身に付けた。
同社で一貫して設計と施工管理を手がけるのは山田氏のみ。ただし、双方の業務を経験している社員は多い。
取材・文:大菅力
「見て習う」やり方で多能型社員に

プランチェックの様子
❶同社は多能型人材を育成することを重視。設計と施工管理双方の業務を経験することは、どちらの業務にも役立つため
❷設計時には材料の歩留まりを意識した寸法にしたり、施工手順をふまえた納め方にして建物の質を高められる。施工時にはデザイン意図を汲み取った指示ができる
❸同社は女性社員が増えて産休や育休の取得が相次いでいる。多能型社員が多いと、欠員をカバーしやすい
❹山田氏は「見て習う」やり方で技能を習得。施工管理の場合、1棟目は先輩社員の下についた。2棟目は先輩社員のサポートを受けつつ山田氏が中心にまとめた。3棟目からは独力でこなした
❻山田氏は設計も独学だ。建築士の資格取得時に学んだ基本的な知識をベースに、監督として担当した現場の実施図面と書籍を参考にした。同社には建築専門書が充実している
❼建築家・飯塚豊氏(i+i設計事務所)による指導も大きい。同社は飯塚氏と設計コンサル契約しており、プラン添削を依頼している。同様に顧客にプランを提出する前に、相模氏や設計担当が意見を述べてブラッシュアップする場も設計の力を伸ばすのに役立った
❽山田氏が最初に設計を担当した3物件は苦労した・・・
この記事は『新建ハウジング別冊・月刊アーキテクトビルダー3月号(2025年2月28日発行)脱まったり工務店』(P.59〜)をデジタル版に再編集したものです。続きは本紙でご覧いただけます。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。