国土交通省は2月17日、住宅ローン減税の効果などについてEBPM(証拠に基づく政策立案)の観点から議論する有識者会議の第2回会合を開いた。今回は2025年度の住宅税制改正概要について報告したほか、住宅ローン減税などの効果を検証するためのアンケート調査や効果検証の方向性などについて議論した。3月末にかけてアンケート調査を実施した後、減税効果などについて検証。6月に中間とりまとめを公表する予定。
2025年度の住宅税制では、子育て世帯などの住宅取得環境が厳しさを増していることを踏まえ、24年度に創設した住宅ローン減税や、既存住宅の子育て対応リフォームに係る特例措置を引き続き実施。老朽化マンション再生に係る特例措置の創設・拡充に加え、▽買取再販で扱われる住宅の取得▽サービス付き高齢者向け住宅供給▽マンションの長寿命化に資する大規模修繕工事▽防災街区整備事業の施行―などに対する特例措置を延長する。
減税で住宅取得は進むのか
また、住宅・不動産関連団体やSUUMOリサーチセンターの協力により、税制優遇によりどの程度の需要が刺激されたかについて調査を実施する。主な調査内容は、①住宅ローン減税・固定資産税の活用状況、②リフォーム促進税制の活用状況、③空き家譲渡所得の3000万円特別控除の利用状況。対象者は、購入者やリフォームなどを実施した事業者、空き家の相続者、売却を仲介した事業者などを想定している。
①住宅ローン減税に関する調査では、住宅価格の上昇、若年世代の持家ニーズ、住宅の耐震化・省エネ化などの現状・課題を踏まえた調査を実施。▽減税による住宅取得の促進効果▽住宅の高性能化・立地変更などによる行動変容▽減税額の変化に伴う弾力性―などの把握を試みる。
②リフォーム促進税制に関する調査では、性能向上リフォームの実施促進効果、リフォームの規模、設備などの性能・スペックの変更による効果を分析。控除率(減税額)の変化がリフォームの実施にどの程度影響するかについて検証する。

リフォーム促進税制の概要(資料より引用)
③空き家譲渡所得の特別控除に関する調査では、取得原因が相続である空き家のみを対象に、相続の発生から改修・売却の完了までの期間に関するデータを収集。▽控除により行動変容(売却)が生じた割合▽空き家売出しから成約までの期間の変化▽旧耐震戸建ての割合▽軽減された経済的負担額▽仮に空き家を放置した場合の外部不経済の程度―などについて調査する。
■関連記事
25年度税制 住宅ローン減税の子育て世帯向け優遇措置は継続
低未利用土地対策の100万円所得控除制度 23年実績は4555件
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。