住友林業(東京都千代田区)は、同社が設計・施工した東京農業大学(東京都世田谷区)世田谷キャンパスの学生寮「青雲寮(せいうんりょう)」にて、木造建築が心身の健康や競技パフォーマンスに与える効果を検証する。
同大協力のもと、同社の企業内研究機関「筑波研究所」が、8月から12月にかけて床の硬さ、光、温湿度、香りや寮生の心理的・生理的な状態を測定し、前年測定済みの既存の学生寮(RC造)と比較・検証を実施。「木」が与える効果を定性的・定量的に立証し、快適な空間づくりと木造建築の価値向上につなげるとしている。結果は2026年に発表する予定。

東京農業大学青雲寮
「青雲寮」は、国産材や同大が所有する奥多摩演習林の木材を活用した純木造3階建てで、3月に農友会陸上競技部の学生が入寮する。
木材使用量約300m3のうち約7割が国産材で、うち約3割は同大の奥多摩演習林を伐採した。外壁、食堂の柱・梁、階段に奥多摩演習林の木材を用いることで、学生が木材の生産から加工、利用過程を体感できるという。炭素固定量は、316.874トンCO2e bio(CO2ベース)。
筑波研究所では、「木」や「緑」のもつ機能や特性、それらが心身に与える効果を研究している。今回の研究は、同社が2020年に東京大学と締結した産学協創協定「木や植物の新たな価値創造による再生循環型未来社会協創事業」の一環として行う。
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