東京商工リサーチ(東京都千代田区)は2月17日、2024年「全国社長の年齢」調査の結果を公表した。社長の平均年齢は63.59歳と前年を0.24歳上回り、調査を開始した2009年以降、過去最高を更新した。
年代別では、70代以上が34.47%(前年34.11%)と最も多く、全体の3分の1を占めた。50代(25.34%)、60代(26.57%)も前年から上昇し、高齢化が加速している。
産業別では、不動産業が65.38歳(前年65.14歳)と最も高く、唯一60代後半に達した。70代以上が41.5%と40%を超えたのも不動産業のみ。建設業は63.68歳(同63.29歳)だった。60歳を下回ったのは、スタートアップ企業が多い情報通信業(57.88歳)で、平均年齢が前年から低下している。
年齢別の企業業績をみると、30代以下では「増収」が60.9%なのに対し、60代は49.9%、70代以上は44.3%と、社長の高齢化に伴い業績が鈍化。収益面でも70代以上は「赤字」(25.9%)、「連続赤字」(14.2%)の割合が他年代より高く、収益力が低い傾向がみられた。
都道府県別では、最高齢が秋田県の66.07歳(前年65.74歳)、最年少は広島県の62.45歳(同62.19歳)だった。なお、秋田県は「65歳以上人口比率」が全国1位、広島県は同35位で、社長の平均年齢と年齢別の人口構成には相関関係がみられた。
2024年の「後継者難」倒産は462件(前年比7.4%増)で5年連続で最多を更新。「休廃業・解散」した企業は6万2695件で、70代以上が約7割(67.9%)に達した。平均年齢は72.6歳で、5年連続で70歳を超える。生存する企業との平均年齢の差は9.02歳で、前年の8.65歳差から拡大。同社は、事業承継の遅れが社長の高齢化を促しているとして、50代までに事業承継を進めない場合は、廃業や倒産の可能性が高まると指摘している。
同調査は、同社の企業データベース(約400万社)から2024年12月時点の代表者の年齢データを抽出、分析した。「社長」は代表取締役社長のほか、個人事業主や理事長などを含む。
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