エヌ・シー・エヌ(東京都千代田区)が2月14日発表した2025年3月期第3四半期決算は、売上高が前年同期比4.9%増の63億9200万円、営業利益が同595.1%増の2億800万円、経常利益が2億700万円(前年同期は1900万円の赤字)、最終利益は9200万円(同4000万円の赤字)。単体、連結子会社ともに増益となり、業績が大幅に改善した。

セグメント別の売上高(決算資料より引用)
住宅分野は、木材相場が落ち着いたことなどから売上高は36億8000万円(同3.4%減)にとどまった。SE構法出荷数は704棟(前年同期比0.7%減)。構造計算出荷数は、SE構法登録施工店へのサポート体制強化により732棟(同5.9%増)と伸長した。
大規模木造建築(非住宅)分野は、万博案件を含む大型案件の売上計上もあり、売上高は23億9300万円(同17.3%増)に。SE構法以外の大規模木造建築設計を扱うグループ会社の木構造デザインの構造計算出荷数が68棟(同23.6%増)となり、非住宅の構造計算出荷数の合計が178棟(同7.9%増)となった。
環境設計分野は、木造住宅・集合住宅、非住宅木造物件向けの一次エネルギー計算書の出荷数が2440件(同9.4%増)、長期優良住宅申請サポート件数が394件(同23.9%増)と大きく伸び、売上高は2億2000万円(同16.9%増)となっている。高画質建築空間シミュレーションサービスの受注も好調だった。

省エネ計算数の推移(決算資料より引用)
グループ会社の業績は、MAKE HOUSE(メイクハウス)の売上高が前年同期比で85.5%増と大幅に増加。翠豊は万博案件を含む大型案件の引渡しもあり、売上・利益ともに前年同期を上回った。
通期予想据え置き 大幅増益に
通期は従来予想を据え置き、売上高は89億7600万円(前期比12.2%増)、営業利益は2億2300万円(同168.6%増)、経常利益は2億8500万円(同497.0%増)、最終利益は2億800万円となる見通し。法改正により建築確認申請に構造審査が必要となることから、引き続き構造計算ニーズが拡大すると予想している。
■関連記事
独自のサプライチェーンで構造設計から現場まで一気通貫
正しく理解できている?—木造住宅の構造計算に潜む問題
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。