大家さんからの依頼を受けて、賃貸アパートの雨漏り修理に出向いたRさん。しかし、雨漏りが発生している住戸の入居者がなかなか協力してくれない。挙げ句の果てには「早く直せ」「腕が悪いんだな」と暴言を吐く始末。「あんたに頼まれたわけじゃないんだがなあ」と内心ぼやく羽目に…。【住宅ライター:渡辺圭彦】
Rさんはリフォーム専業の会社を経営して20年以上になる。地域で何棟ものアパートを所有する大家さんとも良好な関係を築いており、内装や設備の更新は、大きな収入源になっている。
「雨漏りの修理は手間がかかるし、難しいけど、賃貸物件のメンテナンスではよくあること。技術の見せどころでもある。雨漏りにきっちり対処することで、地域の大家さんたちから信頼を得てきた」とRさん。
「うちは雨漏りしてないから関係ないだろう」
雨漏りが発生した賃貸アパートは、築30年の木造2階建て。散水試験などの結果、雨は屋根ではなく、2階の窓まわりから浸入し、1階の住戸の天井に染み出していることがわかった。
この事前の調査の際に問題になったのが、浸入箇所と推察される窓のある、2階の住戸の入居者だ。「うちは雨漏りしてないんだから関係ない」と言い張り、なかなか室内に入れてくれない。後日、大家さんにも同行してもらって、ようやく窓の室内側を調査することができた。
クレームが煩わしく電話に出ないことも
そんないきさつから「わざわざ大家のじいさんを引っ張り出してきやがって」と逆恨みを買ってしまったらしい。以来、毎日のようにRさんの携帯電話に連絡してきて、「まだ終わらないのか」「早くしろ」とクレームをつけるようになってしまった。
「まだ調査をしたばかりなので」と最初のうちは丁寧に説明していたRさんだが・・・
この記事は新建ハウジング2月20日号8面(2025年2月20日発行)に掲載しています。
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