経済産業省は1月31日、「GX建機普及に向けたロードマップ策定に係る研究会」の中間とりまとめを公表した。導入促進に向けたロードマップを作成することで、電動建機を中心としたGX建機(稼働時にCO2が無排出と認められる建設機械)を普及させることが狙い。すでに欧米や中国では建機の電動化が進められており、世界的な潮流に乗るためにも、GX建機への対応が急務となっている。
日本では年間に、油圧式のミニショベル(6トン未満)が14万3539台、ホイールローダーが1万3384台、油圧式ショベル(6トン以上)が9万2073台生産されている(2023年度)。さらに海外におけるシェアは米国に次いで第3位となるなど、高い競争力を維持している。

建機グローバル市場の推移(資料より引用)
研究会では今回、GX建機の普及に向けた最大導入シナリオを設定。2030年までに、電動ミニショベルで3000台(電動化率:10%)、電動大型ショベルで1000台(同:5%)の新車販売を目指す。これにより市場導入が遅れるGX建機の市場形成を促し、海外市場の獲得にもつなげる考え。

電動ミニショベルの普及予測(資料より抜粋)
バッテリ型電動建機を支援
支援の対象は当面、すでに上市しているバッテリ型の電動建機を想定。他にも水素燃料で発電するFC型電動建機、水素燃料(水素エンジン)、合成燃料・バイオ燃料(既存エンジン)を用いた建機があるが、いずれの建機・燃料も普及時期は2030年以降になる見込み。
導入の障壁となっている建機本体・充電設備のコスト低減に向けては、①施工現場における充電インフラの整備、②協調領域の技術開発、③中古建機の適切な販売価格の維持、④関係規制適用の整理―などについて、今後議論を深める必要がある。中でも充電サービス提供を“誰が担うか”については重要な論点となる。

電動建機のビジネスモデル像(資料より引用)
■関連記事
建築物ホールライフカーボン削減で連絡会議 制度化に向け議論
建設機械の“はさまれ”防ぐ技術 NETIS比較表に追加
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。