国土交通省が1月31日に公表した2023年「住生活総合調査」(PDF)の速報集計結果によると、住宅・居住環境に対する総合評価で「満足」(22.5%)、「まあ満足」(55.4%)と答えた人の合計が約8割を占めた。「多少不満」は18.0%、「不満」は3.2%で、住宅に不満を抱いている人の割合は年々低下している。
家族類型別・住宅タイプ別では、65歳以上の単独・借家世帯の不満率が最も高く、次いで親と子ども(17歳以下)からなる借家世帯の不満率が高かった。

住宅・居住環境への総合的評価(集計結果より引用)
不満の内容は、「高齢者への配慮(段差など)」が43.4%で最多。次いで「断熱性」(41.1%)、「エネルギー消費性能(光熱費の節約)」(39.7%)、「地震に対する安全性」(38.4%)と答えた人が多かった。省エネ志向を背景に、「エネルギー消費性能」との回答が前回調査より3.4ポイント上昇している。
住宅に関する重要項目では、「広さや間取り」が11.8%で最も高かった。「最も重要」と「次に重要」の回答を足した場合は、「日常の買物などの利便」(40.3%)、「治安」(36.1%)、「医療・福祉・介護施設の利便」(27.1%)、「通勤・通学の利便」(23.4%)、「地震に対する安全性」(22.4%)などの項目が上位となった。
5割が「立地良ければ既存住宅に」
今後の住み替え意向に関する調査では、全体の19.6%が住み替えを希望。持ち家世帯の47.8%が持ち家への住み替えを希望した一方で、借家世帯の44.3%は借家への住み替えを希望している。既存(中古)住宅を希望する世帯は、持ち家世帯・借家世帯ともに24%を占め、それぞれ前回調査より10ポイント増えている。
住宅の質で重視する点については、「広さや間取り」と答えた人の割合が「単独世帯(64歳以下)」と「親と子ども(17歳以下)世帯」で高かった。

住宅の質で重視する点(集計結果より引用)
既存住宅を購入する場合の条件では、「希望する立地にあること」が55.7%で最も高く、次いで「希望する広さや間取りであること」(16.9%)、「耐震性や断熱性など一定以上の性能が確保されていること」(8.8%)などが上位となった。
同調査は2023年に総務省が実施した「住宅・土地統計調査」の対象世帯のうち11万3650世帯を抽出して実施したもの。集計世帯数は7万2421世帯。住宅タイプは「持ち家」が72.4%、「借家」が27.6%となっている。
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