国民生活センターは1月31日、この1年間に「能登半島地震 消費者ホットライン」に寄せられた相談内容について、集計結果を公表した。地震で自宅など建物の被害を受けた人が多かったことから、工事や修理など住宅関連の相談が目立った。
「能登半島地震 消費者ホットライン」は、石川県・新潟県・富山県・福井県の被災者の支援を目的として設置したもの。毎日10時~16時の間、通話料無料で相談に応じている。
同センターによると、窓口開設期間中に寄せられた相談件数は160件。このうち屋根工事などの「工事・建築」に関する相談が28件(17.5%)で最も多かった。次いで、屋根の応急処置などに関する「修理サービス」14件(8.8%)、自治体の見舞金・給付金に関する問い合わせなどの「保健・福祉その他」11件(6.9%)などが多かった。居住地域は石川県が73.1%で、全体の4分の3を占めた。

月別の相談件数(資料より引用)
地震に便乗した点検商法も
相談内容の傾向としては、地震発生直後は自宅の屋根や壁などの応急修理、賃貸借契約に関する相談、自治体が発行する罹災(りさい)証明に関する問い合わせが多かった。
具体的には、「給湯器が壊れアパートから実家に避難したが家賃を払うべきか」「ブルーシート掛けを依頼したら、見積額を大きく上回る施工費を請求された」「建物損害割合の判定が自治体と加入している共済とで大きく異なる」といった相談が寄せられている。
被災から3カ月以上経過してからは、自宅の修理工事や火災保険の申請サポート、屋根・床下点検に関する相談など、本格的な生活再建に伴う相談が増えた。
具体的には、地震に便乗した点検商法に関する相談が寄せられ、国の機関を名乗った地震調査や「火災保険金や地震保険金を使って修理すれば金銭負担がない」などといった勧誘もみられた。他にも、「修理工事で必要な厚さより薄い耐震壁が使われている」「蓄熱式暖房機が転倒したので調べたところ、設置時に必要な壁の補強がされていなかった」といった問い合わせがあったという。
同センターでは被災者に対し、「できるだけ複数の工事業者から見積りを取って比較検討し、契約前に工事内容と価格を確認してほしい」と呼び掛けている。
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