オネストワンは、建設会社に勤務していた田中一永さんが“女性が活躍できるフィールドをつくりたい”との思いで設立した。当初から家庭と仕事を両立できる会社を目指し、今では老若男女の誰もが活躍する会社に成長。事業も“中古+リノベ”に特化することで、競争力と働きやすさを両立させている。【編集長 荒井隆大】

子育て世代の女性が多数活躍しているが、2024年には初の男性スタッフ(左)が入社。誰にとっても働きやすい職場環境だ
田中さんは、独立までは埼玉県内の地場ゼネコンに勤務し、住宅部門で設計や営業を担当していた。男性中心の建設業界だったが、家庭と仕事を両立させながら活躍できる女性の潜在的な能力を信じ、2016年にオネストワンを立ち上げた。
設立から約3年間は不動産事業者として、賃貸や売買の仲介を手がけていたが、中古住宅購入者は大規模な改修の希望が多いことを踏まえ、自身の経験も生かせるリノベーションを、本格的に事業の中核に据えることに。大手から中小まで「新築は競合が多い」環境であったことも、リノベーションに特化する後押しになった。
もちろんリノベーション専門の業態でも競合は存在する。だが、設備や内装専門のリフォーム事業者に対し「お客様1人ひとりの要望を汲んで形にすることは、建築の素養がある自分たちにしかできないこと」が自社の強みと位置付ける。一方で不動産事業者としての経験も生かして「物件の内覧から、お客様とともに関わる」。中古+リノベのワンストップサービスという「難しいが、競合は極めて少ない」自社の特性を築いた。
在宅OK・残業なしは当然 多様なスタッフが活躍
スタッフの半数は未就学児のいる女性で、子どものために急に休んだり、残業が難しかったりする人も少なくない。“女性が活躍できる場”が独立のモチベーションとなった田中さんにとって、急なスタッフの休みや早退が発生しても問題なく業務をこなせ、残業もせずに済む環境の整備は、会社設立以来、極めて重要な課題だった。
コロナ禍以降一般化した在宅勤務も、設立当初から「出勤せずにできる業務は在宅でもかまわない」として、可能にしていた。業務に必要なデータは全てクラウドに保存し、誰でも、どこからでもアクセスできる。また・・・
この記事は新建ハウジング2月10日号16面(2025年2月10日発行)に掲載しています。
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