3代続く大工工務店の渡邉工務所(福島県会津美里町)は、丸太の調達から製材・木材加工までを一貫して自社で行いながら、断熱等級6・耐震等級3(許容応力度計算)を標準仕様とする高性能住宅を手がける。2024年10月には、自社がつくる住宅の性能や世界観を伝えながら、課題としていた認知度向上を図ろうと、フルリノベーションした事務所兼ショールームをオープンした。

フルリノベにより、自社が手がける住宅の性能や世界観(空間の魅力)を再現した事務所兼ショールームの外観(上)・内観(下)

3代目で代表の渡邉和弘さん(建築士・大工)は、ハウスメーカーに押されがちな地域の住宅市場のなかで「地元の木と地元の職人で、量産タイプとは全く異なる“てしごと”の素朴な魅力をたたえながら、性能も劣らない家をつくれると1人でも多くの人に知ってほしい」と力を込める。
自社の住宅の世界観や性能を分かりやすく体感できる拠点として、築27年の事務所(木造2階建て、1階は車庫兼倉庫)をフルリノベーションし、昨年10月に事務所兼ショールームをオープンした。UA値0.28W/㎡K(断熱等級6)、C値0.3㎠/㎡と自社の標準性能を再現。同時に、内装・外装やテーブル、ベンチといった家具まで含めて、丸太から丹精込めて独自に製造したオリジナル木製品をふんだんに用いるからこそ生み出すことができる空間の魅力も打ち出している。
「まずは知ってもらい、体感してもらうことが重要」と渡邉さん。「人口が少なく、住宅着工が少ないエリアとはいえ、周囲を見渡せばハウスメーカーの住宅が建てられており、予算のある人(家を建てる人)がいないわけではない。自分たちがつくる住宅の価値を正しく伝えることができれば、(受注の)チャンスやポテンシャルは小さくないと思っている」と話す。
※渡邉工務所の事例の詳細は、2月10日に発行する新建ハウジングタブロイド判(2月10日号)に掲載します。お楽しみに。発行後、定期購読者は紙面ビューアーでもお読みいただけます。ぜひご利用ください。
住宅ビジネスに関する情報は「新建ハウジング」で。試読・購読の申し込みはこちら。