東京都はこのほど宅地建物取引業者のJPMB(渋谷区)に対し、不動産情報ネットワークシステム「レインズ」(指定流通機構)への契約内容の登録や、売買申込時の報告などを速やかに行わなかったとして、3月7日までの30日間、全業務を停止する行政処分を行った。
同社は2023年3月、売主Aと買主Bとの間で締結された、東京都三鷹市の宅地および建物の売買契約について媒介業務を担当。
その際に、▽売主Aに対して売買契約書を遅滞なく交付しなかった▽専任媒介契約を締結したにもかかわらず、レインズへの登録を速やかに行わなかった▽買付証明書が提出され売買の申込みがあったにもかかわらず、その旨を売主Aに報告しなかった▽手付金の授受が行われなかったにもかかわらず、売買契約書に手付けに関する事項が記載されたままになっていた―など、複数の宅地建物取引業法上の違反を行っていた。さらに、同年同月に締結された別の契約でも、同様の違反が確認されている。
「登録内容の確認を」
宅地建物取引業法では、専任媒介契約を締結した場合は7日以内に、専属専任媒介契約の場合は5日以内に、レインズに物件登録を行うことを定めている。また、速やかな登録済証の交付や、依頼者への処理状況の報告(専任:2週間に1回以上、専属専任:1週間に1回以上)、売買契約成立時のレインズへの報告についても義務化している。
今回の違反行為を受けて東京都は、都内の宅地建物取引業者に対し、「物件登録が速やかになされないと早期に成約する効果を得られなくなる」と注意喚起。レインズ登録時には登録内容に誤りがないか再度確認するよう求めた。また不動産の売主に対しても、契約した物件の情報がレインズに登録されているか、確認するよう呼び掛けている。
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