厚生労働省は12月27日、2025(令和7)年度予算案のうち、国土交通省と連携して推進する「建設業の人材確保・育成」に関する施策の概要を公表した。「人材確保」「人材育成」「魅力ある職場づくり」を重点項目として、若者や女性の建設業への入職・定着の促進、担い手の処遇改善、働き方改革、生産性向上に取り組む。
このうち「人材育成」に関する取り組みでは、「暮らし維持のための安全・安心確保モデル事業」(予算額:110億円の内数)を新設。地域工務店の担い手不足への懸念や大規模災害リスクなどに対応するため、住宅生産事業者グループが行う災害発生に備えたモデル的取り組みに支援を行う。
CCUS活用の雇用管理に助成金
「人材確保」に関する施策では、建設業への入職や定着を促すため「建設事業主に対する助成金による支援」に69億円を投入。人材確保等支援助成金のコースに「建設キャリアアップシステム(CCUS)活用促進コース」(仮称)を創設し、中小建設事業主がCCUSを活用して行う雇用管理改善を後押しする。さらに「建設労働者技能実習コース」では、CCUS登録者への賃金助成額を1.1倍に増額する。
建設業の魅力の向上に向けた取り組み(予算額:1.5億円)では、適正な工期設定、生産性向上の促進、職人の安全・健康の確保などを推進。社会保険や技能向上の機会が確保されにくい一人親方の処遇改善を図る。
中小企業の働き方改革を後押し
「魅力ある職場づくり」に関する取り組みでは、働き方改革に取り組む中小企業・小規模事業者への助成を実施(予算額:92億円)。労務管理の専門家による窓口相談や、企業訪問・オンラインによるコンサルティングの実施、労働関係助成金の活用方法に関するセミナーの開催などに30億円の予算を計上した。
また前年に続き、「一人親方安全衛生対策支援事業」(予算額:1.1億円)、「中小専門工事業者の安全衛生活動支援事業の実施」(9500万円)、「墜落・転落災害等防止対策推進事業」(8700万円)など、主に中小企業・小規模事業者を対象とした安全対策支援にも予算を割り当てた。
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