厚生労働省が12月26日公表した「令和5(2023)年外国人雇用実態調査」結果によると、外国人労働者数は159万3256人で、国籍・地域別では「ベトナム」(29.8%)、「中国(香港・マカオ含む)」(15.9%)、「フィリピン」(10.0%)が多数を占めた。
このうち建設業(採掘含む)の外国人労働者数は12万2596人。内訳は「特定技能」が2万3262人、「技能実習」が6万8483人、「技術」が1万3776人、「高度専門職」が87人。「永住者」も5962人含まれている。
外国人労働者を雇用する理由(複数回答)については、建設業では「労働力不足の解消・緩和のため」が81.3%で最も多く、全産業平均の64.8%を大きく上回っている。次いで「日本人と同等またはそれ以上の活躍を期待して」(57.3%)、「日本人にはない知識、技術の活用を期待して」(10.7%)、「従業員や知人に紹介されたから」(9.9%)などの回答が多かった。入職経路については、日本に住んでいる外国人の場合、「知人・友人の紹介」が約半数(49.7%)となっている。
日本語でのコミュニケーションが課題に
外国人の雇用に関する課題では、建設業では「日本語能力のためコミュニケーションが取りにくい」(51.5%)が最も多かった。他に、「在留資格申請等の事務負担が面倒・煩雑」(30.8%)、「在留資格によっては在留期間の上限がある」(29.0%)、「採用・定着にコストがかかる」(22.9%)、「生活環境の整備にコストがかかる」(22.7%)など、実務以外での課題を挙げる企業が多かった。
一方、外国人雇用者側(全産業)では、「紹介会社(送出し機関含む)の費用が高かった」(19.6%)、「トラブルや困ったことをどこに相談すればよいかわからなかった」(16.0%)、「事前の説明以上に高い日本語能力を求められた」(13.6%)が課題となっている。
外国人の平均給与額23万円
建設業で働く外国人一般労働者の平均賃金は、「きまって支給する現金給与額」が23万1000円、「所定内給与額」が20万1400円、「賞与・期末手当等特別給与額」が8万5900円。「所定内実労働時間」は162.9時間、「超過実労働時間」は20時間だった。
同調査は、雇用保険被保険者5人以上かつ外国人労働者を1人以上雇用している全国の事業所や労働者などを対象に、2023年9月30日時点の状況について尋ねたもの。3534事業所と外国人常用労働者1万1629人から有効回答を得ている。
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