国土交通省はこのほど、能登半島地震発生から1年が経過したことを受け、2024年末時点の復旧・復興の実績見込みと今後の予定について発表した。あわせて住宅再建希望者に具体的な住まいイメージを提案するための「いしかわ型復興住宅モデルプラン」(中間報告分)を公開している。
復興の現状については、昨年9月に発生した豪雨による被災を含め、二次災害に直結するような被災箇所への応急対策はすべて完了。豪雨で被災した218戸の修理も含めて必要戸数6882戸が完成し、避難所からの受け入れ体制が整ったと報告した。豪雨の被災者向けに新たに必要となった286戸についても着工済みで、3月末までには完成する見通し。恒久的な使用も視野に入れた木造応急仮設住宅については現在、6市町で1603戸供給している。
復興まちづくり計画については、3月までに全ての被災市町で計画を公表する予定。石川県が6月に公表した復旧・復興の基本方針「創造的復興プラン」に基づき、各市町村で素案の作成を進めている。
住まいの再建に向けた取り組みでは、自力再建を目指す県内の被災者を対象とした「被災住宅相談窓口」を開設。再建資金の支援策として、住宅金融支援機構が月々の返済が利息のみとなる「まちづくり融資(高齢者向け返済特例)」など、被災者のニーズを踏まえた融資を提供している。
再建する住宅のイメージをまとめた「いしかわ型復興住宅モデルプラン」では、昨年募集したモデルプランの中から21プランを選出。プランの特徴や概算工事費などの概要、平面図、内観・外観パース、施行事業者の基本情報などを掲載している。今後もプラン集としてまとめるなど内容の充実を図る。
他に、液状化被害を受けた住宅を対象に、住宅傾斜修復に向けた支援を昨年7月から開始。12月1日時点で石川県・富山県・新潟県から計698件の申請を受け付けた。このうち甚大な液状化災害を受けた石川県かほく市および内灘町では、液状化対策を盛り込んだ災害復興計画(基本計画)を策定。実証実験などの事業を順次開始する予定となっている。
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