総務省がこのほど公表した2024年度の「公害苦情調査結果」によると、1年間に全国で受け付けた公害苦情件数は6万9153件で、対前年度比で3.4%の減少。公害苦情の発生源のうち最も多いのは「会社・事業所」で全体の44.8%を占めている。このうち「建設業」が1万3174件で最も多かった。
同調査は、2023年4月1日から24年3月31日までの期間に、全国の都道府県・市町村の公害苦情相談窓口に寄せられた苦情を集計したもの。典型的な7公害(騒音・大気汚染・悪臭・水質汚濁・振動・土壌汚染・地盤沈下)と、それ以外で多かった苦情の内容について件数や処理状況を調べている。
これによると、2023年度に寄せられた苦情のうち「典型7公害」は4万8969件で、前年度比で3.5%減少。内訳は、「騒音」(38.6%)、「大気汚染」(26.9%)、「悪臭」(19.9%)の順に多く、この3つで全体の85.4%を占めている。このうち「騒音」に対する被害では、「感覚的・心理的」と答えた人が全体の93.6%を占めた。
工事・建設作業にクレーム
公害の発生原因で最も多かったのは「工事・建設作業」の1万2530件(全体の18.1%)で、このうち84.5%が「建設業」(1万583件)。2番目に多かった「焼却(野焼き)」(1万616件)の発生源についても、最多の「個人」(7542件・71.0%)に次いで、「建設業」(533件・5.0%)が多かった。
「建設業」の苦情内容を詳しく見ると、「工事・建設作業」が(1万583件)で全体の8割を占めている。次いで「産業用機械作動」(602件)、「焼却(野焼き)」(533件)、「投棄された廃棄物」(249件)の順となった。
苦情をどのように処理したかについては、典型7公害(直接処理数:6万2087件)では、「発生源側に対する行政指導」が最も多く2万8646件。次いで「原因の調査」(9629件)、「申立人に対する説得」(2018件)、「当事者間の話し合い」(855件)の順となっている。
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