国土交通省は12月18日、「人生100年時代を支える住まい環境整備モデル事業」の2024年度第2回公募で10事業を選定して発表した。①課題設定型(子育て世帯向け/地域交流地点整備/健康長寿/団地再生)、②事業者提案型、③事業育成型の3タイプで公募し、19件の応募があった。
同事業は、高齢者や障害者、子育て世帯など誰もが安心して暮らせる住環境の整備を促進することが目的。評価のポイントとして、▽立地特性や地域の実情を踏まえて具体的な解決方策を示しているもの▽技術的に困難なことを解消する提案など先導性・創意工夫が認められるもの▽高齢者などの健康や居住の安定に加えて、地域の活性化や新たな雇用の創出など副次的な効果があるもの―などを重視している。
今回選定された事業は次の通り。
地域大学とのコラボに期待
選定事業のうち、京都福祉サービス協会の「まざる、住まう、はたらく、団地共生イノベーション」では、交通至便ながらも住民の高齢化により空き家が多く発生している市営住宅を、若年の介護従事者向け住宅として改修整備することを提案。市内の8大学と連携して改修後の住まい方の調査を実施し、団地の改修計画を立てる考え。さらに敷地内でシェアシニアカー(ハンドル型電動車椅子)の実証実験や運営検証を行う。
総評では、大学と地域がコラボレーションした提案が増えていることから、「大学が持つ若手リソースを活用することにより相乗的に課題解決を目指している点で期待できる」と評価。京都福祉サービス協会の提案については、「市営住宅の空き住戸を活用し、団地の課題解決につなげる提案はチャレンジ性が高い」と評した一方で、「介護従事者に対して、仕事の延長として日常的に高齢者への関わりを求めることにならないか」との懸念を示した。
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