SKホーム(秋田県大仙市)の大きな強みが「多能工な社員大工」の存在だ。以前から社員大工を常に5〜6人抱え、他社への応援を積極的に行ってきた。加えて、大工を育成する「秋田県立大曲技術専門校」の教育実習生を毎年受け入れ、その後社員採用も行っているため、20代の若手大工が4人もいる。
社長の佐々木学さんは、「若い大工の割合が多い工務店は珍しいので、お客様からの受けはすごくいい。将来の改修を見込んで、20年後、30年後も職人の技術がちゃんと残る会社かどうかを意識される方も意外に多いので、若手大工の存在が選ばれる一要因になっている」と話す。
通常の大工仕事に加え、自社基準のハイレベルな断熱・気密施工、秋田杉の外壁施工も社員大工が行うため、マルチスキルが自然と身につく。さらに、若手大工には複数メーカーのユニットバスとシステムキッチンの施工技能を習得させ、できることの幅を広げる工夫もしている。
「大工の仕事を楽しんでほしいので、昔のように厳しく教えることはないし、その必要もないと思う。福利厚生も手厚くし、ボーナスや有休を設定し、男女問わず産休・育休を遠慮なく取れる体制にしている」(佐々木さん)。
佐々木さんが大工の社員化・多能工化を進めるのは自社の施工力確保が目的ではないという。「SKホームの最終目標は、大工や設計を目指す若者が憧れ、同業者から一目置かれる会社になること。どこに行っても食べていける技能を持つ職人を育て、彼らが独り立ちした時に『SKホームで働いていた』と言うだけで仕事を任せてもらえるような大工をそこらじゅうに増やしたい」と話す。
さらなる挑戦として、2024年に断熱ブローイングと気密測定の新事業を立ち上げた。技術者を育て、秋田全体の住宅性能の底上げにも貢献したいという。
※SKホームの事例の詳細は、12月20日に発行する新建ハウジングタブロイド判(12月20日号)に掲載します。お楽しみに。発行後、定期購読者は紙面ビューアーでもお読みいただけます。ぜひご利用ください。
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